お酒との上手な付き合い方
新年度が始まり、新しい環境での生活が始まった方も多いのではないでしょうか?
歓迎会やお花見など、お酒を飲む機会も増える季節ですね。
今月号ではお酒との上手な付き合い方について考えてみましょう。
少量の飲酒は気持ちをリラックスさせたり、食事の場をより楽しく人間関係を円滑にさせるなどのメリットもあります。
しかし、過度な飲酒が続くと意識障害や運動障害に加え、心身の健康を脅かす様々な疾患のリスクが増大してしまう原因となります。
令和6年2月、厚生労働省は飲酒に関する初のガイドラインである「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。
このガイドラインは“アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め不適切な飲酒を減らすこと”を目的としています。
ガイドライン内では飲酒量を「純アルコール量」で示しています。
純アルコール量はお酒に含まれるアルコールの量のことで以下の計算式で算出することができます。
お酒の量(ml) × アルコール度数/100 ×0.8(アルコールの比重)= 純アルコール量(g)
1日あたりの純アルコールで男性は40g以上、女性では20g以上を摂取した場合に生活習慣病のリスクが高まるとされています。
◆健康のための適度な飲酒量とはどれくらいなのでしょうか?
国民健康づくり運動「健康日本21」によると「節度ある適正な飲酒量」は純アルコールで1日20g程度、女性ではその半分程度とされています。
【純アルコール20gの目安量】
普段の飲酒量と比較していかがでしょうか?
◆飲酒量を減らすポイント
● 空腹時の飲酒は出来るだけ避け、食事を一緒にとる
● 休肝日をつくる(週2日程度が理想的)
● 小さい缶を選ぶ、グラスを小さくする
● チェイサーとして水を飲む
● ノンアルコール飲料を上手に活用する
◆お酒を飲む際に一緒に摂りたい栄養素
◎良質なタンパク質(肉・魚・大豆製品・卵・乳製品に多い)
→刺身、焼き鳥、焼き魚、冷奴など
◎適度な炭水化物(ごはん・麺・パンに多い)
→おにぎり、お茶漬けなど
◎ビタミン、ミネラル(野菜、海藻類、きのこに多い)
→冷やしトマト、サラダ、もろきゅう、枝豆、お浸しなど
ビタミンB1、ナイアシンはアルコール代謝の過程で特に多く消費されるため合わせて摂りたい栄養素です。ビタミンB1は豚肉や枝豆、ナイアシンはマグロやカツオ、さば、レバー、まいたけに多く含まれます。
アルコールには食欲を増進させる作用があると言われています。食べ過ぎに注意し、カロリー、脂質、塩分の摂りすぎには注意しましょう。
アルコールを飲んだ次の日にはしっかり水分を摂ることも大切です。
飲酒量やおつまみの内容など一度見直してみてはいかがでしょうか。
健康的な生活のため、お酒は適量を守って上手に楽しみたいですね。